“燃える男”闘莉王が強行出場志願


 サッカー日本代表は13日、アジア杯予選・サウジアラビア戦(15日・札幌ド)に向けて、札幌市内で約1時間40分の練習を行った。左ひざ痛で別メニュー調整だったDF闘莉王が全体練習に合流。「必ずいいプレーを見せられるようにしたい」と、サウジ戦の強行出場を志願し、勝利を誓った。

 あふれんばかりの気迫をほとばしらせて、燃える男が帰ってきた。左ひざを気にするそぶりも見せずにピッチを走り回り、大声でチームメートに要求を出す。DF闘莉王が、オシムジャパンの中心に帰ってきた。

 「多少痛みは残っているけど、もう出なきゃいけない」。き然とした口調が、強行出場への揺るがぬ意欲を物語った。11日の横浜M戦で負傷したばかり。それでもこの日の練習では、激しい守備をいとわず、7対7のミニゲームでは前線まで上がってゴールを狙った。患部を固めていたテーピングも、練習途中で引きはがした。「左足ではまだボールを蹴っていない」と回復途上だが、「明日またチェックしてやりたい」と、意地でも間に合わせるつもりだ。

 オシム監督は、Jで優勝争いの佳境にいる選手がクラブを重視することを心配していたが、それも闘莉王の場合は取り越し苦労だ。9月のサウジ戦に敗れているうえ、10月の2試合の代表戦は、右太もも裏痛で招集見送り。そして何より、日の丸への熱い思いに、予選突破決定後の一戦という状況は関係ない。

 「まずは(9月の敗戦の)借りを返したい。日本代表として今年最後の試合。必ずいいプレーを見せられるようにしたい」。守備の要として、オシムジャパンのスタートイヤーはキッチリ勝利で締めくくる。

デイリースポーツ - 2006/11/14